お米の表示は食味を示すものではありません

最近牛肉など食品の表示が問題になっていますね。

表示に関しては、お米も不正表示で
違反する業者が跡を絶ちません。
なぜ不正表示をするのでしょうか?

消費者にとってお米の表示は、
有名な産地品種=食味が良い、
になっています。

しかし本来表示は、
その中味がどこの産地か、
どの品種かを示すものであり
食味の良し悪しを示している
ものではありません。

でも産地品種=食味になっている今、
例え本物の商品を入れていても
食味が悪いと偽物が入っていると判断されます。

では、この産地品種=食味になってきたのはなぜでしょう?

これは、やはり量販店の影響が大きいような気がします。
昔のお米屋さんは、仕入れたお米の中で
ブレンドをして各ランクのお米を作っていました。

そして、お客様の好みや価格帯に応じてお米を提供してきました。
そこには、お客様とお米屋さんの会話がありました。
説明して販売する商品だったのです。

しかし量販店では、そのような細かなことには対応できません。
そこで単品の銘柄米を安く売ることで販売を増加させていきました。
有名になった品種や産地のお米を積極的に安く販売していきました。

同じ価格で、名もない美味しいお米と
有名だが前者ほど美味しくないお米、
それでも表示を見れば有名な方を
買う人が圧倒的に多いでしょう

その単品販売の大きな流れに
何時しかお米屋さんも
のみこまれていきました。

価格競争の先には、不正表示が待っていました。

現在は、DNA検査などで品種が特定できるので
以前に比べて不正表示も減ってはきていますが、
なくなってはいません。

不正表示にもいろいろなパターンがあります。

・どんなにまずいお米でも有名銘柄米として販売してしまう
・美味しいお米なので有名銘柄米として販売する
・100%偽物ではなく本物も混ぜる
・品種は同じだが産地や年産を偽る
・産地は同じだが品種や年産を偽る
等々その他まだまだあります。

私が思うのには、消費者は価格に応じた美味しいお米が
ほしいのですがその食味を知るすべがなく、
どうしても表示の有名な産地や品種で食味を判断してしまう。
そこに不正業者が付け込み不正表示で偽物を売る。

でもその偽物を買った何%の人がそれに気づくのか?
満足している人もかなりいるのではないでしょうか

ようするに食味が極端に劣らなければ価格が高くない限り
そんなに気にする人はいないような気がします。

売る側も無名のお米を宣伝するよりも
有名なお米を宣伝して販売するほうが
楽なのでこの傾向が続くと思います。

ですから、
考え方を変えてお米の予算を決めて買う。

産地や品種でなく価格で買う。

産地や品種を見て、食味に思い込みを入れて食べた場合
この産地、品種なのにあまり美味しくないと感じることが
あると思います。

でも価格で買えば、先入観のない価格の価値に合ったお米
の食味が感じられると思います。
それを数回か繰り返していくと
同じ価格でもここのお米が
一番美味しかったと感じることができるでしょう。

もちろんそれは、あなたの好みでありすべての人に当てはま
るものではありません。

でもあなたにとって美味しいと感じるものを召し上がることが
一番良いことではないでしょうか
日本全国には美味しいお米がたくさんあります。
きっとあなたにぴったりのお米がどこかにありますよ。